この箱は1000票に達したのでこれ以上投票できません。
エイガオタの負け犬映画批評箱
今日も今日とて映画が見れぬ。
(bavqco) 2013-07-02 13:24:34作成 2014-08-11 03:19:28更新 1000投票 99有効票 44気になる 51興味無い 24627参照 はてなブックマークはてなブックマークに追加 Twitterでつぶやく

戻る投票順更新順
13. 『苦役列車』についてのコメントGoogleYouTube


西村賢太による2010年・第144回芥川賞作を「天然コケッコー」「マイ・バック・ページ」の山下敦弘監督が映画化。
昭和の終わりの酒と風俗におぼれる日雇い労働の青年の姿を通して、孤独や窮乏、生きる力について描き出していく。1987年、中卒で19歳の北町貫多は、日当5500円の日雇い労働で
その日暮らしの生活を続けていた。生来の素行の悪さと性犯罪者だった父をもつ引け目から友人も恋人もいない貫多だったが、ある出会いによって大きく変化していく。
主演は「世界の中心で、愛をさけぶ」「モテキ」の森山未來。貫多が港湾労働で知り合い、貫多に変化をもたらしていく専門学校生・日下部正二に高良健吾が扮する。
映画オリジナルのヒロイン・桜井康子役で「AKB48」の前田敦子も出演。
[#1](cachcs) 2014-02-26 16:40:11

日本でいうところの苦役とは、ほぼ「自分の責任」で全てに説明が付く。海外における苦役とはそもそも基本から違う。日本には差別も貧困も戦争もないからだ。
この映画で描かれる「苦役」とはダメ人間であることを指しているんだが、主人公が若いために将来に対しての絶望のようなものはなく、はっきりいって温い。苦役でもなんでもない。
またAKBの前田敦子が原作にないヒロインとして追加されていることから、なんか超つまんなそうというか、方向性が変わってるんじゃないか(原作知らないけど)と思っていたが
そんな心配は杞憂で青春映画として面白く仕上がっている。前田も思いのほか良くてビックリ。つーか前田の出演映画の選択眼の高さに驚く。すぐに消えると思ってたが訂正したい。

主演の森山未來がいい。ダメ人間のダメ思考を見事に体現していて、嫉妬深く、自分を卑下しているくせに、それを指摘されると怒り出す人間のクズを好演している。
ダメ人間ゆえに感情移入できないという声を聞くが、彼のような痛い人間でありつつも人との関わりお捨てられない寂しい心情は俺には十分に感情移入できるものだ。
悲痛なまでの彼の敗北人生をそのままに受け取り、何もかもが彼の元から立ち去り、その全ては自分が招いたこと。明日を考えず、ただひたすら毎日を消費するだけの人生。
これが痛いながらも面白おかしく描かれていて、最後の最後まで救いがないというのも素晴らしい。映画ラストはオリジナルで結構希望にあふれている。
原作者はこれを否定しているが、優れた作品と言うのは健康的な精神から生まれるものではないと思ってる俺には的を得たラストだと思う。佳作だろうな。★★★★b
[#2](cachcs) 2014-02-26 17:14:24

気になったのが、本は好きだが仕事もろくにせずに風俗通いで借金まみれという設定。それも低いレベルで。ピンサロ止まりだから安上がりだし、借金も街金からは借りてないようだ。
無趣味なんだけど酒やタバコには極端に溺れず、でもキッカケがあれば字ばかりの本を読むって、そんな人間いるか?
一人称も「ボク」だし、やたらと「侮辱は許さない」と言うし言葉使いだけが本好きを反映している。別に文学好きにダメ人間はいないとまでは言わないが、コイツは本当に本が好きなのだろうかって
疑問はわくよ。とにかく劇中に彼が知識をひけらかすシーンが無さ過ぎる。サブカルかぶれのブスを上から目線で論破する1シーンだけじゃねぇか。これがコイツの本質なのに、映画は
あんま、そーいうインテリ的な負の部分にはほぼノータッチなんだよなぁ。あと主人公は常にタバコを吸っているんだが、借金こさえている割にタバコ銭に困ってるようなシーンもゼロ。
灰皿をあさったり、赤の他人からタバコを恵んでもらおうとしたりするようなミジメなシーンはないんだよねぇ。ようするに肝心な部分で超温いんだよ、ダメ人間描写が。

今の日本じゃこれが限界かな。b
[#3](cachcs) 2014-02-26 17:52:53