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★映画批評箱
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マーベルコミック原作のヒーローアクション「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」(2011)の続編。
マーベルヒーローが集結した世界的大ヒット作「アベンジャーズ」(12)から2年後を舞台に描かれる。ブラック・ウィドウやニック・フューリーらとともに、
国際平和維持組織「S.H.I.E.L.D.(シールド)」の一員として任務の数々にあたっていたキャプテン・アメリカは、仲間であるはずのシールドから襲撃され、
誰が本当の敵なのかわからないまま逃亡者となる。そんなキャプテン・アメリカを最強の暗殺者ウィンター・ソルジャーが追いつめる。
克服できてなかった駄作だったが、今作は非常に出来のよい映画に仕上がっている。今回アクションに盾を非常に上手く使っていて、前作では銃を使っていた汚名をちゃんと返上している。盾投げる→回収→次ターンという流れは美しい。
ただ車の扉も貫通できない程度の威力の盾が、戦闘機のエンジン二機を反射を使って同時に破壊できるというのはやり過ぎだな・・・とも思える。しかしこの程度のインチキがないとアベンジャーズ内では雑魚扱いは必至なので目をつむる所か。
俺はいつも言っているが、ヒーロー作品で一番重要なのは「強力な敵」の存在。物語とかは実はかなりどうでもいい。麻薬の売人とか、一都市を牛耳っているギャング、ただの天才テロリストとかは警察で十分なのでマーベル映画で見たくはない。
本作でのキャプップはSHIELDというバックボーンがあって、かつアベンジャーズの一員であるためにもはや宇宙人くらいしか太刀打ちできないのが現状。だがSHIELD自身が敵になるという設定のお陰で強さのインフレを抑えることに
成功してるし、得意の無双もこういう状況下では強さが発揮されず、映画から常に緊迫感を出てる要因になっているのは良い。ウィンターソルジャーの強さも映画のアクセントとして優秀だ。
しかし一番良かったのは強すぎる力は単なる恐怖でしかなく、SHIELDもまたその範疇から出ている組織ではないというキャップの考え方。彼の正義感は時代遅れのアメリカ事大主義に見られがちだが、新しき秩序のために犠牲はつきものだという
排他論を、もちまえのヒーローイズムから批判するのではなく、あの古めかしいコスチュームをもって古きよき時代の自由の象徴としての立場から批判するのが良い。そしてそれゆえ戦うことを放棄せざるえないラストは感動的だ。
ヘリキャリアー3機と戦うラストバトルは規模こそ大きいものの、そのゲームみたいなミッション性のおかげで全く燃えないし、ウィンターソルジャーが前面に出てこない構成にも異議を唱えたいが(実際には殆ど次回作へ持ち越し)
超常現象バトルではない地に足のついた活劇シーンには大満足。★★★★(6段階評価)b